山陰と民窯とおしゃべり 1

京都駅から汽車に乗る。
のほうが音がいいのだけど実際に乗ったのは新幹線で、岡山で特急やくもに乗り換え、出雲市駅で特急まつかぜの自由席に乗り島根県石見の波子(はし)という駅についた。(約5時間!!)f:id:kompeitous:20170927124426j:plain

1軒目の訪問先になる宮内窯まで、そこらへんの道でタクシー拾って行こうかなと考えていたが、途中の特急内で駅周りのストリートビューをみて諦めた。急いでデッキでタクシー会社に電話をして迎え時間を伝える。駅につくとホームが高台にあり、日本海のほうに石州瓦の屋根が広がっていた。「ちょっと写真とるので、待って頂いていいですか」と運転手さんに言ってしまった。宮内窯へお願いすると「今日は取材かなんかですか?」ときかれた。

 

f:id:kompeitous:20170927124558j:plain

宮内窯では宮内さんとお母さんとお話しした。宮内さんとは僕の家でずっと使っている塩壺や作陶のこと、お母さん(84)とは石見のことや戦時中のこと、そのほかよく注文の入る東京の民藝店さんの話などをした。「ここらへんは東京から日本で一番遠い場所らしいよ」という話も。そんな感じでよそから来た30代の男の話をお茶菓子のようにきいてくれるのでまあよかったのかな。「まあまあお茶でもどうぞ」というのはこの旅行中だいたいの窯元さんから頂いた言葉でもある。不味公のおかげなのか何なのか、お茶とお茶菓子でもてなす文化みたいなのがあるのかもしれない。平皿ほかを購入した。山陰線各駅停車の時間が迫っていたので「そろそろ出ます」と言うと最寄駅まで送ってくれるという。徒歩を覚悟していたので本当にうれしかった。

f:id:kompeitous:20170927125502j:plain

 

f:id:kompeitous:20170927133720j:plain



------------

湯を沸かして、コーヒーをいれているカップが旅行で買ったものだったので、思い出しながら描いている。4日間で窯元を8つまわり、1年分くらいの陶磁器を購入した(自分比)。いろんな人と話し、声が枯れた。山陰地域の手で作るあれこれ、食、自然を表現するのにちょうどいい言葉がないけれど、それもまたいいのかもしれない。「ゆんたく」とかで括ることができない魅力がある。そういうアレコレが好きな方はぜひ訪問してほしい。山陰に行きたいと思ったのは好きな窯元が山陰に集中していること、またこの本を読んだことによる。去年は計画だけで仕事で流れてしまったし、もう3年越しくらいだった。それくらい行きたかった。

 ----------- 

鈍行で20分ほど、温泉津(ゆのつ)駅にて下車、森山窯へと歩く。グーグルマップでは徒歩19分と出たのだけど、こんな山だとは思わなかった。しかも雨だった。坂道を登っていると仕事の電話が入ったので話しながら登る。「すこし息きれてますけど大丈夫ですか??」と言われたが、そら坂道ですからね。いろいろきいて対処を支持して電話を切るころには尾根道に出て、森山窯についていた(裏口)。

 

 

f:id:kompeitous:20171014171040p:plain

 

f:id:kompeitous:20171014163154j:plain

こういう道

 

f:id:kompeitous:20170927155504j:plain

森山窯ではちょうど今日(2017 10/14-15)行われる陶器祭りに出すカップなどの追い込み作業にかかっていた。お忙しいなかイチジクの甘露煮とお茶をいただいた。おいしかった・・・。ほんとに。
座ってお話をしているとネコのナナちゃんが僕の膝にのってきた。ゴロゴロいうのでかわいかった。少し前まで僕と同い年くらいのお弟子さんがいて、秋田に帰ったそう。そして地元で開窯したとのこと。森山窯さんは一輪挿しのお花だったり、東北のこぎん刺しみたいなので作られたクッションなどなど、美しく素敵なものがたくさんあった。華美ではないけどシックでもない。モダンというほど装飾を避けているわけでもなくいろいろな要素があるのに横断してまとまっている。こういうのをセンスがいいと言うんだなと感じていた。作陶の話はもちろん芹沢さんの包み紙の著作権についての話などをした。
「良い物っていうのはね、時代がいくら変わってもみんなわかるんだ」という話が印象的だった。

f:id:kompeitous:20170927163629j:plain

f:id:kompeitous:20170927161847j:plain

f:id:kompeitous:20170927171050j:plain


お茶をいただいたときに手にフィットしたフリーカップと緑の釉薬のボウルを購入。ネコのナナちゃんにもお別れ。石州瓦の赤褐色と木々の初秋、深い緑の色の合わせは昔の東海道線普通列車を連想させる色の組み合わせだな、好きだなと思いながら坂を下る。そういえば石州瓦の赤褐色は出雲周辺で採れる来待石という石を釉薬として使ったものだそう。

www.sekisyu-kawara.jp

 

 

f:id:kompeitous:20170927173812j:plain

 

 

f:id:kompeitous:20170928075736j:plain

 

 

計画だと45分ほど駅で待つことになっていたが、電車が遅れていて少し待ったら1本前の電車に乗ることができた。ついている。地元の中高校生にかこまれて松江まで移動して宍道湖そばの宿に入る。近くの居酒屋でビールを飲んで、おでんを食べ戻る。初日の朝は早かったので疲れていたのか電気をつけたまま朝になっていた。

 

 

 

f:id:kompeitous:20170927204551j:plain

箸置きなくて行儀が悪い