cero 入曽 

 

狭山市に近い工業団地のどまんなか、

ゆらゆらと灰色の煙を出し続ける

ニチバン工場の奥に、高校サッカー部の

グラウンドがあった。藪か林か、

丘か尾根道か、とにかく切り開いて

作ったのが一目でわかるグラウンドだった。

 

飯能の市街地にある校舎から自転車で25分。

夏のグラウンドに着いたころには、気泡が

見えるくらいYシャツが肌に張り付き、汗を

吸った皮のベルトの腰回りが、出刃包丁の

ように色が変わっていた。


ちなみに

同時期にSAKEROCKのハマケンと

星野源くんも飯能で高校時代を

送っていたようで、もしかしたら

すれ違っていていたかもしれない。

近くにある私学同士なのだけど、

交流はなかった。


入曽-cero live at 下北沢モナレコード 08.09.20

 

 そう、ここは衛星都市 茶畑とモーテル

Greentea Blvd 蜃気楼の地

 

いま思えば、校舎からそのグラウンドに

いくまでにceroの「入曽」の歌詞にあるもの

すべてを見つけることができた。

冬になると雉が畝からとび出してくる

茶畑もあったし、男子高校生なら

目を逸らすことができない

「ティファナ・イン」という

“モーテル”もあった。

 

高城くんは大学時代、ぼくは高校時代という

違いはあるが、23区の西側育ちで、

ある一時期でも埼玉で生活をしていた

人間が感じる「違い」が歌になっている。

ぼくが感じていたように、狭山、飯能、

日高あたりと、東京の西側との「違い」を

同じく面白いなと感じていたのだろうか。

土地への思いを抜きにして言えばそれは

「田舎」という言葉で一捻りに葬られて

しまう。そうなのだけど、少なからず

愛着のある土地をそんなふうに

突き放すことはできないと思う。

 

1stアルバムの解説とも言える

『読むワールドレコード』に載っている

「入曽」の解説には

 

 ラウンジ的なエキゾ音楽のそれ以上に、

寂しい地方にエキゾチズムを感じる

今日このごろ。なんて言ったら

怒られるか(高城)。

 

と書いてある。

そんな感じをceroは曲にした。

そのおかげで部活生活の良い面を思い出

した。このまえ寄った圏央道

狭山サービスエリアのトイレで

そんなことを考えていた。

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できょうタワーのインストアにいってきた。

30過ぎの男が若い女の子たちに混じって

サインをもらうってのは新鮮な体験だった。

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PC内の写真をみてたら去年のいまごろ

青山のお寺でのライブ写真がでてきた

1年でお客さんがすごい増えたな